素晴らしい本です!ライター/音楽批評、細田成嗣編著によるアルバート・アイラー本!
素晴らしい本です!ライター/音楽批評、細田成嗣編著によるアルバート・アイラー本!天才音楽家アルバート・アイラーの魅力を解き明かす決定的な1冊となっていますね!初邦訳となるアイラーのインタビュー、アイラーのディスク紹介、後藤雅洋、村井康司、柳樂光隆の3者による鼎談“フリー・ジャズの再定義”、菊地成孔と大谷能生による対談、大友良英、不破大輔へのインタビュー、竹田賢一、横井一江、吉本秀純、渡邊未帆、原雅明、福島恵一、佐々木敦らの論考等々、濃厚で濃密な記事がギッシリ!ジャズ、ロック、ファンク、R&B、カリプソ、民謡、ノイズ、インプロ、現代音楽、または映画や文学に至るまで、ジャンルを飛び越えて多大な影響を与え続けるアイラーの全貌を、2020年代の視点から詳らかにする画期的な本です!アイラー好きは勿論ですが、入門書としても是非!1人の音楽家を徹底的に掘り下げると興味が色々の方面へと派生されていくので、そういう意味でもオススメです!大推薦!
※オレンジ色(第2刷)の表紙となります。
※こちらの商品はサイズの関係でネコポス、クリックポストでの発送が出来ません。通常発送となります。よろしくお願いいたします。
AA 五十年後のアルバート・アイラー
編者 細田成嗣
装丁・組版 田中芳秀
四六判並製:512頁
ISBN:978-4-910065-04-5
ニューヨークのイースト・リヴァーで変死体が発見されてから半世紀——未だ謎に包まれた天才音楽家アルバート・アイラーの魅力を解き明かす決定的な一冊が登場!
34歳で夭折したフリー・ジャズの伝説的存在、アルバート・アイラー。ジャズ、ロック、ファンク、R&B、カリプソ、民謡、ノイズ、インプロ、現代音楽、または映画や文学に至るまで、ジャンルを飛び越えて多大な影響を与え続けるアイラーの全貌を、2020年代の視点から詳らかにする国内初の書籍が完成した。
総勢30名以上のミュージシャン/批評家/研究者らによる、緻密な音楽分析をはじめ、既存の評論やジャーナリズムの再検討、または社会、文化、政治、宗教にまで広がる問題を多角的に考察した“今読まれるべきテキスト”を収録。さらに初の邦訳となるアイラーのインタビューのほか、アイラーのディスク紹介、ポスト・アイラー・ミュージックのディスクガイド、アイラーの年譜、全ディスコグラフィー、謎多きESP盤に関するマニアックなウンチクまで、500頁以上にも及ぶ超濃密な内容!
「今アイラーについてあらためて考えることは、“偉人”をその偉大さにおいて再評価することではなく、むしろわたしたちがどうすればよりよく生きることができるのかといった、きわめて卑近な問題について考えることでもあるのだ」——序文より
「かつて『AA』なるインタビュー映画を世に出した。
そのタイトルは「間章(あいだ・あきら)」を意味した。
そこにしばしの躊躇がなかったわけではない。
「AA」といえば「アルバート・アイラー」ではないか。
ダブルイニシャルの呪術の無闇な濫用への畏怖は、
それでもいま現れるこの書物とのさらなる「一にして多」を言祝ごう。」 ——青山真治(映画監督)
▼執筆者一覧
imdkm/大谷能生/大友良英/大西穣/菊地成孔/工藤遥/纐纈雅代/後藤雅洋/後藤護/齊藤聡/佐久間由梨/佐々木敦/竹田賢一/長門洋平/柳樂光隆/奈良真理子/蓮見令麻/原雅明/福島恵一/自由爵士音盤取調掛/不破大輔/細田成嗣/松村正人/村井康司/山香穂/山田光/横井一江/吉田アミ/吉田野乃子/吉田隆一/吉本秀純/渡邊未帆
▼目次
●序文
Ⅰ アルバート・アイラーの実像
●アルバート・アイラーは語る
——天国への直通ホットラインを持つテナーの神秘主義者 取材・文=ヴァレリー・ウィルマー 訳=工藤遥
——真実は行進中 取材・文=ナット・ヘントフ 訳=工藤遥
——リロイ・ジョーンズへの手紙 訳=工藤遥
——アルバート・アイラーとの十二時間 取材・文=児山紀芳
●アルバート・アイラー 主要ディスク・ガイド 柳樂光隆 細田成嗣
Ⅱ コンテクストの整備/再考
▲鼎談 フリー・ジャズの再定義、あるいは個別の音楽に耳を傾けること 後藤雅洋 村井康司 柳樂光隆 取材・文=細田成嗣 註釈=山香穂
●ユニバーサルなフォーク・ソング 竹田賢一
●星雲を象る幽霊たち——アルバート・アイラーのフォーメーションとサイドマン 松村正人
●抽象性という寛容の継承——アメリカの現代社会と前衛音楽の行く先 蓮見令麻
●英語圏でアイラーはどのように語られてきたか——海外のジャズ評論を読む 大西穣
【コラム】アルバート・アイラーを知るための基本文献
Ⅲ 音楽分析
▲対談 宇宙に行きかけた男、またはモダニズムとヒッピー文化を架橋する存在 菊地成孔 大谷能生 取材・文=細田成嗣 註釈=山香穂
●アルバート・アイラーの音楽的ハイブリッド性について——〈Ghosts〉の様々な変奏に顕れるオーセンティシティ 原雅明
●カリプソとしてアイラーを聴く——根源的なカリブ性を内包する〝特別な響き〟 吉本秀純
●アルバート・アイラーの「ホーム」はどこなのか?——偽民謡としての〈ゴースツ〉 渡邊未帆
●アルバート・アイラーの技法——奏法分析:サックス奏者としての特徴について 吉田隆一
●サンプリング・ソースとしての《New Grass》 山田光
【コラム】シート・ミュージックとしてのアルバート・アイラー
Ⅳ 受容と広がり
●アルバート・アイラーへのオマージュ——ヨーロッパからの回答 横井一江
▲インタビュー 《スピリチュアル・ユニティ》に胚胎するフリー・ミュージックの可能性 不破大輔 取材・文=細田成嗣 註釈=山香穂
●むかしむかし『スイングジャーナル』という雑誌でAAが注目を浴びていた——六〇年代日本のジャズ・ジャーナリズムにおけるアルバート・アイラーの受容過程について 細田成嗣
▲インタビュー ジャズ喫茶「アイラー」の軌跡——爆音で流れるフリー・ジャズのサウンド 奈良真理子 取材・文=細田成嗣 註釈=山香穂
●アイラーとは普遍的な言語であり、体系をもたない方法論である——トリビュートを捧げるミュージシャンたち 齊藤聡
●ポスト・アイラー・ミュージック ディスク・ガイド 選・文=細田成嗣
Ⅴ 即興、ノイズ、映画、あるいは政治性
▲インタビュー 歌とノイズを行き来する、人類史のド真ん中をいく音楽 大友良英 取材・文=細田成嗣 註釈=山香穂
●現代から再検証するアルバート・アイラーの政治性と宗教性——ブラック・ライヴズ・マター期のジャズの先駆者として 佐久間由梨
●録音/記録された声とヴァナキュラーのキルト 福島恵一
●アルバート・アイラーによる映画音楽——『ニューヨーク・アイ・アンド・イヤー・コントロール』をめぐって 長門洋平
●制約からの自由、あるいは自由へと向けた制約——アルバート・アイラーの即興性に関する覚書 細田成嗣
Ⅵ 想像力の展開
●破壊せよ、とアイラーは言った、と中上健次は書いた 佐々木敦
●少年は「じゆう」と叫び、沈みつづけた。 吉田アミ
▲対談 祈りとしての音楽、または個人の生を超えた意志の伝承 纐纈雅代 吉田野乃子 取材・文=細田成嗣 註釈=山香穂
●ジャズとポスト・ドキュメンタリー的「ポップ」の体制——《ニュー・グラス》について imdkm
●アイラー的霊性——宗教のアウトサイダー 後藤護
【コラム】ドキュメンタリー映画『マイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラー』について
Ⅶ クロニクル・アイラー
●アルバート・アイラー 年譜 一九三六—一九七〇 作成=細田成嗣
●ALBERT AYLER DISCOGRAPHY 自由爵士音盤取調掛
——Index of Recording Dates
——第3巻の真実
——スピリッツ講話
——ベルズ報告
●後書
●索引 註釈=山香穂
●執筆者プロフィール