ベトナム中部の少数民族、エデ族の男性たちのゴング演奏集!野性味あふれる演奏が◎!
イイです!レーベル“concrete”からゴング音楽のシリーズ、第1弾!本作は、ベトナム中部のダクラク省に移住する少数民族、エデ族の男性たちのゴング演奏を集めた作品集となります!レーベル主宰者、森永泰弘が2017年の5月と8月にベトナム中部をフィールドワークしながらレコーディングした音源となる訳ですが、音色も音像も素晴らしいですね!男性らしい速いテンポで野性味あふれる演奏を聴かせてくれますよ!それから、竹楽器のチン・クランによるアンサンブルも収録!こちらはゴングとは違った優しい音色を聴かせてくれます!楽器の持つ響きの良さを堪能できる作品です!オススメ!!
【プレスリリース】
エデ族は、ベトナム中部ダクラク省に居住する家母長制の民族で、言語学的にはオーストロネシア語族のマレー・ポリネシア語派に属します。彼らの住む集落は、主に家族や親戚、集落付近を流れる川や山の名前がつけられ、集落内には、サン・ドク(San dok)と呼ばれる(約25m-45m)ロングハウスに血筋の繋がった家族がまとまって暮らしています。このサン・ドクは、乾季に吹く北東部からのモンスーンや雨季に吹く南西部からのモンスーンを避けるために出入り口と階段が北と南にそれぞれあり、入り口は男性、出口は女性を意味しています。階段は木の主幹が使われ、先端部が船先のように上部が反り、丸みのある三日月型に彫られた女性の乳房を模った装飾が加えられていることから、母系文化を感じさせます。また、エデ族にとって、ゴングも母系文化を象徴する大事なシンボルであり、コブの付いたゴングは女性の乳房を意味します。ゴングはコブ付きとコブなしゴング(フラット・ゴング)がエデ族の音楽演奏で使用され、葬式や水牛供儀の儀礼、結婚式などの祝祭で演奏されます。
ちなみに、ここで紹介している音源はおよそ2分から5分程度のものばかりです。本来、諸民族の音楽のほとんどは、儀礼や祝祭時に演奏され、数十分、数時間、長い時には数日間、休憩を挟みながら演奏されます。また、少数民族の方々の音楽は随時変化していきますし、同じ民族でも集落や奏者が変われば音楽もガラリと変わります。彼らはプロの音楽家というわけではなく、普段は農作業をしている人たちがほとんどです。したがって、音楽演奏の上手い下手はとりあえず置いといて、世界にはいろんな音楽があるんだなっということに驚きをもっていただけたら本望です。
(森永泰弘)