フォルクローレと現代音楽に独自解釈を施すギタリスト笹久保伸が、高橋悠治の作品に取り組んだ傑作!
またまた凄い作品!!ペルーのフォルクローレと現代音楽を独自の解釈で弾き進めるギタリスト笹久保伸の2015年作!自身のホームグランドである秩父の忘れられた労働歌を取り上げた作品集や、粟津潔の劇画作品『すてたろう』に呼応する音源制作など、独自のスタンスでその豊かな才能を如何なく発揮する笹久保伸が、今作では1枚まるごと高橋悠治の作品に取り組んでいます!
出だしのギター1音でその場の空気を変えてしまうような、凄まじい力を宿したギター・プレイは圧巻の素晴らしさ!鮮明でありながらも何処までも深く、美しい残響音が心の奥底へと響いてくるような魅力がありますよ!また、笹久保自身による歌や朗読、ティモシー・ハリスによる朗読を交えて制作されていて、ギターと声が合わさることで、より土着的で魔的なニュアンスが作品に加味されていくようで◎!それから、本作はスタジオではなくホールでの録音とのことですが、音の響きと音色の生々しさがとても良いですね!収録された楽曲は、高橋悠治が笹久保のための書いた近年の曲や、60年代や70年代に書いた曲などで全9曲。これは高橋悠治のギター作品の全てを網羅しているのことです。音楽に根源的な何かを求めている人には是非聴いて欲しい大傑作です!大推薦!!